Portfolio
編集者として活動する青山俊之のポートフォリオです。
Name
青山俊之|Toshiyuki Aoyama
Profile
大学院生(博士)。ラーメンとWeb好き。研究テーマは自己責任論。専門はディスコース研究。仕事は編集業。
2019年2月、個人事業主として「Share Culture」(屋号)を開業。茨城県つくば市を拠点としたフリーランスとして活動しました。2017年1月からスタッフとして働いたコワーキングスペース「Tsukuba Place Lab」にて個人・私企業、また筑波大学の関係者からWebサイト制作を受注。ロゴ制作、バナーデザイン作成、Web構造・デザイン制作、CMS導入、フロントエンドのコーディングなどのWebサイト制作、また自社Webメディア運営全般をひとりでこなしてきました。
2022年5月から2024年4月の約2年、株式会社ゲンロンにアルバイトとして入社しました。大学院の博士課程で取り組む研究とも関連するためです。業務は、編集・校正、記事執筆、イベント企画・運営、Webメディア分析、他社事業・大学との共同公開講座担当、マンガ教室事業の広報担当などです。業務の課題や今後の目標を得意とする分析能力を用いて考え、またそれらをデザインや文章に落とし込む編集者として活動してきました。
編集・記事執筆
Webメディア分析
Webメディア事業の主な流入はSNS投稿でした。そのためGoogle Analyticsにて流入メディア割合、新規・リピートユーザー数、ランディングページを分析し、Search Consoleにて主な検索キーワードとジャンルを特定。Similar Webを用いて競合他社サイトのPV数を把握するなど、現状の課題と目標を提案する資料を作成しました(資料収集から1ヶ月ほどで実施)。
2022年11月、会議にてSEO対策などを含めた改善案を提案し、好評をいただきました。しかしながら、Webサイトのバックエンド側の問題に対応するためそちらの対策が優先され、SEO対策、Webサイトデザインの再検討はそれが落ち着くまで保留。2023年10月末に移行が完了したものの、CMS移行を優先するため実行までには至りませんでした。
教養講座の企画・運営
企画会議にてテーマに基づいた連続講義を提案し採用されました。半年にかけて、月に一度実施する教養講座の企画・運営をし、講座の聞き手を務める大学院生5, 6名のチームが主導となり実施。そのチームリーダーとしてWebメディアに特設ページや事前レポートを執筆するなど提案・実施を担いました。全講座に参加可能な通し券を数多く売り上げ、聞き手として登壇した講座も好評を得て成功を収めました。第二期のキャッチコピーである「まちがう、考える、学ぶ。」は筆者によるものです。
- 人間とはなにか──遊びから考えるヒトと動物の社会性|山本真也 聞き手 = 青山俊之(2023年3月実施)
- ベケットと「まちがい」の美学──よりよく失敗するために|岡室美奈子 聞き手 = 青山俊之(2024年4月実施)
- ゲンロンで働く大学院生で『思想』と『現代思想』を読んでみた|青山俊之 × 植田将暉 × 國安孝具 × 住本賢一 × 栁田詩織(2023年1月実施)
- 「ロシアの辺境」、ジョージア文学の闘い方──文学研究のミライ|五月女颯 聞き手=青山俊之(2023年6月実施)
- 訂正可能性と自然・相撲・自己責任──いよいよ友の会第14期!院生チームが第13期を振り返りつつゲンロンの活動と自身の研究を語ります!|青山俊之 × 植田将暉 × 栁田詩織 司会=國安孝具(2023年9月実施)
- 「意味の時代」に批評はなにができるか── 『訂正可能性の哲学』と哲学・批評のミライ|森脇透青 × 青山俊之 × 國安孝具 × 栁田詩織(2023年11月実施)
- シラスはアプリでどう変わるのか──エンジニアが語る開発の舞台裏3|桂大介 聞き手=遠野よあけ、青山俊之
- 「まちがい」の本質──ゲンロン・セミナー第2期キックオフ|青山俊之 × 植田将暉 × 國安孝具 × 住本賢一 × 栁田詩織(2024年1月実施)
ZEN大学担当
2023年4月、社内実績と研究内容が評価され、2025年4月開学予定のZEN大学との共同公開公開講座の担当となりました。企画立ち上げ時の先方との交渉会議にも参加。自社と先方の強みを踏まえたスライド資料を作成するなど、交渉会議をすり合わせる工夫をしました。2ヶ月に一度、計6回実施した全講座のタイトル・概要を執筆、登壇者との連絡役として情報共有と当日の発表資料作成の補助、また社内調整としてデザイナー、Webページ更新担当者への連絡などを行いました。
- 知性とはなにか──AI時代の人文学|川上量生 × 松尾豊 × 東浩紀(2023年6月)
- 数とはなにか──IUT理論と数学の立ち位置|加藤文元 × 川上量生 × 東浩紀(2023年8月)
- 君たちはどう学ぶか──少子化・AI時代のユニバーサル教育(と政治参加)|鈴木寛 × 乙武洋匡 × 東浩紀(2023年10月)
- 真理とはなにか──数学とアルゴリズムから見た『訂正可能性の哲学』|加藤文元 × 川上量生 × 東浩紀(2023年12月)
- 科学はどこまで「わかる」のか──AI時代の科学文化と物語|大塚淳 × 竹内薫 × 宮本道人(2024年3月)
- ネット時代の権利と文化──知的財産権をめぐって|大野聖二 × 栗田穣崇 × 川上量生(2024年4月)
原稿執筆
ゲンロンカフェで行うイベントレポート(3,000字)の執筆に加え、特に注力を入れて執筆したのが会員向けのインタビューの聞き手と記事執筆(10,000字)、また若手研究者の連載記事第一弾としてエッセイの執筆(6,000字)です。いずれも検索流入ではなく、一般読者を想定して学術的議論をわかりやすく説明しつつ、記憶に残り(純粋想起)、SNSの拡散とブランド力の向上を意識した記事として作成しました。結果、下記三つの記事ではSNS上で拡散され、社内記事でも上位のPV数を獲得しました。
1. AIが「考えない」ことを考える──「生成系AIが変える世界──『作家』は(/今度こそ)どこにいくのか」
2. 友の会から(1) 観光、労働、コミュニティを再生する──嵐渓荘、大竹啓五さんインタビュー
3. 観光客はテロリストの夢を見るか──ブリュッセル紀行
- モンゴル社会とシャーマニズム──島村一平×東畑開人(司会=上田洋子)「シャーマニズムと心理学、あるいは社会主義は呪術なのか?」イベントレポート(2022年11月公開)
- AIは「本物の愛」を語れるか──成田悠輔×東浩紀「民主主義に人間は必要なのか」イベントレポート(2023年12月公開)
- 動物から人間の特異性をいかに考えるか?──ゲンロン・セミナー第2回「遊びから考えるヒトと動物の社会性」事前レポート(2023年3月公開)
- AIが「考えない」ことを考える──「生成系AIが変える世界──『作家』は(/今度こそ)どこにいくのか」イベントレポート(2023年7月公開)
- メタとメタをつなぐ対話──加藤文元×川上量生×東浩紀「数とはなにか」イベントレポート(2023年9月公開)
- 「変わらない社会」を変える大学──鈴木寛×乙武洋匡×東浩紀「君たちはどう学ぶか」イベントレポート(2023年11月公開)
- 「まちがい」を待ちながら──ゲンロン・セミナー第2期第3回「演劇とまちがい」事前レポート(2024年3月公開)
- 「わかったふり」を越えて──大塚淳×竹内薫×宮本道人「科学はどこまで「わかる」のか」イベントレポート(2024年4月公開)
ロゴ等制作
スタイリッシュポップなデザインを得意とし、写真も組み合わせてシンプルな構造でも情報閲覧性のよいサイト制作をしてきました。ロゴデザイン・配色・メインビジュアルからサイトデザインの基調をつくりあげています。
制作サイト
2018年10月:up Tsukuba
つくば駅前に初めてオープンしたコワーキングスペース「up Tsukuba」のホームページです(現在は閉業)。学生・地域住民向けのコワーキングスペースTsukuba Place Labの運営者ともうひとりの共同経営者がビジネス向けに開業した場所で、その縁でサイト制作を請け負いました。
2019年2月:Share Culture
個人事業主として開業するにあたって作成したShare Cultureの公式ホームページです。得意とするメディア運営、インタビュー、カメラ撮影など、編集のノウハウを記載し、実績・制作の流れ・料金・お問い合わせを設置しました。
2019年3月:井出里咲子研究室サイト
指導教員で言語人類学者の井出里咲子研究室サイトを作成しました。簡易的なデザインを好まれたため、WordPressテーマ「SANGO」を活用し、ゼミ情報・研究内容・研究業績をまとめました。タイトルロゴやバナーにはクライアントが好きなカエルと蓮の葉を取り入れています。
2019年10月:筑波大学日本文学会サイト
有志の学生から依頼を受け、筑波大学日本文学会のホームページを作成しました。筑波大学で利用可能なサーバー上にサイトをアップロードしたいとの要望を受け、HTML・CSSでゼロからサイトを構築しました。
本サイトはWeb運営に慣れていないメンバーが更新・管理し、かつ学生が入れ替わることを考慮し、サイト更新用の資料を用意しました。学生から要望を直接ヒアリングし、また研究室にお邪魔してサイトに使用する写真素材の撮影もいたしました。
そのた
Webメディア運営
T LABO
個人ブログとして2015年12月開設。雑記、メディアコンテンツの感想・紹介がメインで最高20万PV/年を獲得しました。読書感想やKindle端末レビューなどで検索流入が増加したことを受け、それらに関するキーワードを選定し、記事構成にもSEO対策を取り入れることでPV数を増加させました。
現在は、研究者としての個人サイトにコンセプトを変更。それにあたり、別途運営を行っていた学術メディア「Discourse Guides」をT LABOと統合しました(現在、Discourse Laboと名称変更)。
学術系コンテンツには執筆に時間がかかり、また「まじめ」な内容に偏りがちであるため、気楽に書き記す雑記を設置しました。そちらではラーメンの食レポから学術的な思いつきまで、パーソナリティが垣間見える内容としています。
Share Study
2016年9月から2021年初頭まで運営したのが学部生向けの学術系メディア「Share Study」です。Share Studyでは、「人から始まる学問の見える化」をコンセプトに掲げました。そのアプローチの肝は、知識情報ではなく、人から学問に親しむきっかけを作ることでした。
検索流入に加え、運営者以外も執筆に携わる場としてShare Studyを構想し、最高11.8万PV/年を獲得しました。運営者である青山が研究に集中するため活動を停止しています。
経歴・学歴
研究者としての活動
2024年5月現在、筑波大学大学院人文社会科学研究群国際日本研究学位プログラムの博士後期課程4年次3年です。5月に博士論文の本審査に合格し、9月に卒業予定です。
専門はことばと社会文化の関係を扱うディスコース研究です。日本社会の自己責任論がなぜ・どのように繰り返されてきたのかを問いに掲げて研究に取り組んできました。研究活動と編集者としての活動は、複雑な人や社会の出来事を棚卸しし、凝り固まってしまった物事を少し異なる角度から捉えるという点では共通したものです。以下、もう少し詳細に研究と編集業の関係をまとめました。よろしければご笑覧ください。
自己責任ということばはバブル経済崩壊以降の社会変容のなかで特に言及されたことばです。また2004年のイラク日本人人質事件においては人質とその家族に対する責任を追求することばとしても広く知られました。2004年以降も労働・福祉問題に関しても自己責任論が論じられてきたため、現代日本の社会状況を示すシンボルでもありました。
そのため、これまでの研究や言論ではその状況を論じるトピックとして言及されてきたのが「自己責任」です。論者の問題意識に応じた自己責任の解釈がなされてきました。しかしながら、日本社会で広く認知されたきっかけである人質事件のような個人に責任を社会的に寄せる「議論≒コミュニケーション」が「自己責任−論」でもあります。ぼくの研究の問いは、なぜ・どのようにして自己責任論は日本社会で繰り返されてきたのかとし、言語・コミュニケーションに着目して研究に取り組んできました。
自己責任ということばには、人によって肯定的にも否定的にも反応してしまう不思議な力があります。働く上では他責ではなく主体的に活動するのが自己責任であると肯定的に語る人もいるでしょう。一方で、どうしようもない状況に陥っている弱い立場の人に自己責任を押し付ける人のほうが他責だと否定的に自己責任をイメージする人もいます。
ぼくが行っている研究は、いわばこのような複数の解釈と複雑な現代日本社会を可視化する作業です。ある種、「自己責任」に宿る呪術的な力を悪魔祓いする人類学的な研究だと言えるかもしれません。この研究を通して、少し違った角度から自己責任を、あるいは日本社会と日本人について考え直してきました。
仕事に言い換えれば、複雑に入り組んだ社会の出来事を棚卸しすること。それがぼくの研究の核であり、編集作業を行う上でも特に大事にしていることです。かつて個人事業主として開業したShare Cultureのキャッチフレーズ「Making Alternative Perspective」は少し異なる角度からものごとを捉えることを示したものでした。ぼくにとって研究と編集業はこのように地続きなものとして捉えています。
サイト内リンク
研究紹介はT LABOのトップページ、アカデミア向けに踏み込んで紹介した研究概要は「言語人類学のメディア実験室」に記載しています。こちらもよろしければぜひ。