ミスチル史上シングル最高売上、驚愕の売上276万枚を記録した『Tomorrow never knows』。きっと誰もが一度は聞いたことが曲かもしれません。
『Tomorrow never knows』とは
1994年11月にリリースされたMr.Childrenの6作目のシングルです。当時、ミスチル現象と呼ばれるほど流行していたのですが、それに大きく貢献したのがこの作品です。
それもそのはず、ミスチル史上最大の売上として276万枚も売り上げたのですから、いまでは驚異的な数字です・・・このCDはアルバム『Atomic Heart』が累積300万枚とロングヒットし、ヒット曲『Innoent world』が発売された次の曲として世に出てきました。さらに、『若者のすべて』というドラマの主題歌にも抜擢されたこともあり、多くの条件がそろって売れるべくして売れた曲だと言えそうです。
「Tomorrow」が「never」「know」ってちょっとおかしいと思ったそこのあなた!
タイトルにもある「Tomorrow never knows」。意訳すると「誰の知ることのない明日へ」という感じです。よく考えてみると主語が「Tomorrow」になっててちょっと変な文章なのですが、これは英語特有の倒置法です!
本当は「Everyone never know tomorrow.」といった文章なのが、先頭にtomorrowが来ることで強調効果がはたらています。こういったのを倒置法といって英語ではよくあるんですが、一種の詩的な表現として歌詞にも使われています。
「大人」なら分かる歌詞の深み
この曲が響く時は、なんだか黄昏れた気分に浸っている時です。父が「この曲いいよなぁ。」と雨が降る中、車から流れるこの曲を聞きながらボソッとつぶやいてたいたのが個人的にとても印象深く残っています。
そんな風に、時はいつの間にか流れ去ってぼくらをどこかに連れて行ってしまいますよね・・・?
とどまることを知らない時間の中でいくつもの移りゆく街並みを眺めていた
幼な過ぎて消えた帰らぬ夢の面影をすれ違う少年に重ねたりして
このように始まる冒頭、染み入ります。二番の歌詞もまたいい。
人は寂しいぐらい忘れてゆく生きもの
愛される喜びも寂しい過去も
思うに忘れるから、また前に進めるんですよねぇ・・・
歌詞の途中で描かれる「勝者も敗者もいないような孤独なレース」、それでも「見えない明日に向かって行くしか無いという諦めにも似た」、なにか。
今よりも前に進む為には
争いを避けて通れない
そんな風にして世界は今日も回り続けている
後に歌われる「あんまり覚えてないや」とはまた違った「世界の回り方」がここでは描かれています。
そして大サビ! ここにすべてが込められている!
果てしない闇の向こうに oh oh 手を伸ばそう
癒える事のない傷みならいっそ引き連れて
少しぐらいはみだしたっていいさ
oh oh 夢を描こう
誰かの為に生きてみたって oh oh
Tomorrow never knows
心のまま僕はゆくのさ誰も知ることのない明日へ
そうだ!
忘れたと思っても過去は変えられない!
だとしたらその傷みはまた違った形でぼくらを襲う!
だけどいいじゃないかそんな傷跡も!
いっそ引き連れて!
少しぐらいはみ出すぐらいに大胆に!
夢を描いてみたってさ!
誰かの為に生きてるんじゃない!
自分の為にいつだってぼくらは生きてるんだ!
Oh Oh
Tomorrow never knows・・・
という感じでしょうか。なんだかセンチな時にこの曲を聞くと暗さとも諦めとも潔さともなんとも言えない気持ちが胸に去来します。心の赴くままに生きてみてはいるものの、「あるがままに生きようとするから人はまた傷ついていく」んですけどね・・・まっ、大事なのはバランス感覚ですかね。では~